病院組織

Hospital Organization

 病院では,外来医療や入院医療が提供され,近年では,在宅医療や検診などの予防医療に力を入れている医療機関も多くなってきている。これらの医療サービスの提供を実現するための組織が病院組織である。

 組織には,最終的な責任を取るべき管理者がいる。病院の場合,医療法人であれば理事長,公立であれば病院開設者・管理者が経営の責任者を担う。また,病院長が診療の責任者を担う。管理者の下に基本的には,診療部門(医局),看護部門,医療技術部門,事務部門の4つの部門があり,更に部門を超えて,委員会活動が行われる。病院の規模によって,組織の在り方が異なり,課や専門部署が集約・兼業される場合が多い。

 診療部門(医局)は,医師の集まりである。医師は,治療方針の決定と実際の治療を行い,かつ,各職種間のコミュニケーションを図って情報を集積し,患者さんにフィードバックするとともに,指示命令系統の指揮官を担うというポジションである。

 看護部門は,看護師,看護補助者からなり,病院のなかでも最も人数の多い部門である。看護部の仕事は,診療の補助業務,患者さんのケア,患者さんの観察に,大きく3つに分けられる。医療技術部門には,薬剤課,検査科,放射線科,栄養科,リハビリテーション科などが含まれる。

 事務部門は,病院運営に不可欠なヒト・モノ・カネと情報を扱う部門であり,病院の運営をサポートし,職員が働きやすい環境を整えることが事務部門の役割である。事務部門には,医事課,人事課,経理課,庶務課,総務課,施設課,用度課などが含まれる。また,情報管理,経営企画,医療相談などが含まれることもある。

 医療安全に関する委員会や感染対策に関する委員会など,病院には,法律上,設置することが義務づけられているものも含めて,多くの委員会が設けられている。こうした委員会は,医療の質の向上や,病院サービスの向上,病院運営の効率化などを目的にテーマごとに設けられており,近年,数が増えている。

【関連用語】

なし