National examination
国が,法律に基づき,個人の能力,知識,技能を判定し,職業国家資格を付与する試験のことである。代表的なものとして,司法試験,税理士試験等がある。
医療分野は多種多様な専門職があるため,様々な資格を付与する多くの国家試験がある。厚生労働省が管轄する国家試験としては,医師,歯科医師,薬剤師,保健師,助産師,看護師,診療放射線技師,臨床検査技師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士,臨床工学技士,義肢装具士,歯科衛生士,歯科技工士,救急救命士,あん摩マッサージ指圧師,鍼師,灸師,柔道整復師,管理栄養士等がある。
福祉・介護関連分野で厚生労働省が管轄する国家試験としては,保育士,社会福祉士,介護福祉士,精神保健福祉士,公認心理師等がある。
医師国家試験は,医師法第9~16条に定められる医師免許を付与するための試験で,厚生労働省医政局が所管し,毎年2月上旬ごろに実施される。受験資格は基本的に医学部医学科6年の正規の課程を修めたものに与えられる。そのため,合格率は90%前後と比較的高い。
1946年に年2回実施で始まり,1985年からは年1回となっている。1993年からは出題科目指定がなくなり,全科目からの総合問題形式となっている。問題は,一般問題,臨床実地問題,必修問題から構成され,それぞれの基準を全て満たすとともに,禁忌肢の取り扱いは年により異なり,2問または3問以下であることが合格の条件となっている。
看護師国家試験は,保健師助産師看護師法第18条に定められる看護師免許を付与するための試験で,受験資格は多様で,指定大学,指定学校,指定養成所等を卒業または修業したものとなっている。合格率は90%前後となっている。