Disease Management
特定の疾患について目標を設定し,診療ガイドラインをベースに,医療提供者,患者・住民への働きかけを行い,保健医療コストのコントロールとサービスの質の向上を実現することを目的とした介入・コミュニケーションのシステム。医療現場からの情報をもとに,目標や介入戦略にフィードバックすることが疾病管理における特徴である。
疾病管理プロセスでは,対象疾患の母集団の中から介入の対象となる候補者を明らかにし,対象集団の健康リスクに応じて患者への介入方法を決定する。介入は,患者の自己管理をサポートすることを目的として,教育やコミュニケーションが行われる。介入後,遵守すべき標準との比較,臨床的アウトカム(検査値や健康状態の変化など),経済的アウトカム(総コストや医療資源の利用率など),QOLや患者・医療サービス提供者の満足度などが評価され,新たな介入計画へフィードバックされる。
疾病管理では,医師以外のコメディカルスタッフも含め,多職種が関与することから,情報の共有化と役割分担の明確化も必要である。わが国では,「特定健康診査・特定保健指導」に疾病管理の概念が取り入れられている。