Medical Function Information Provision System
医療機能情報提供制度(医療情報ネット)は,住民・患者による医療機関の適切な選択を支援することを目的として,2006年の第5次医療法改正により導入された。病院等に対し,医療機能に関する情報について都道府県知事への報告を義務づけるとともに,報告を受けた都道府県知事はその情報を住民・患者に対して提供する制度である。本制度が創設される以前は,住民・患者が医療機能に関する情報を入手しようとした場合,その手段は医療機関の広告,医療機関ホームページ,院内掲示等に限られており,その内容にも医療機関間や地域間で差があったほか,住民・患者がその内容を客観的に比較できず,理解できないこともあった。そこで,住民・患者が医療機関を適切に選択できるよう,医療機関の自発的な情報提供だけに委ねるのではなく,医療機能に関する情報の報告を医療機関へ義務づけ,それを公表することとした。
本制度では,医療機関は,以下の事項などを都道府県へ報告するとともに,医療機関において閲覧できるようにしなければならないこととされている。
- 管理,運営及びサービス等に関する事項(基本情報,病院等へのアクセス,院内サービス,費用負担)
- 提供サービスや医療連携体制に関する事項(診療内容,提供保健・医療・介護サービス)
- 医療の実績,結果等に関する事項
一方,病床機能報告制度とは,2014年の医療法の改正により,同法第30条の13に基づいて実施する制度である。病院又は診療所であって一般病床又は療養病床を有するものは,「病床機能報告対象病院等」とされ,その管理者は,地域における病床の機能の分化及び連携の推進のため,病床の機能区分に従い,以下の事項を所在地の都道府県知事に報告しなければならないこととされている。
- 基準日における病床の機能
- 基準日から一定の期間が経過した日における病床の機能の予定
- 当該病床機能報告対象病院等に入院する患者に提供する医療の内容
- その他