理事長就任にあたって
Hterazaki
寺崎 仁
東京女子医科大学 医学部 医療安全科 教授

 何の心構えも準備もしていませんでした。昨年11月の新潟での学術総会期間中に、私を含めた次期理事が集められ、どういうわけか次の理事長に私が選出されました。誠に浅学菲才の身ながらも、皆さんにご賛同いただいたからには、何とか精いっぱい役目を果たして行きたいと思っているところです。
 さて、新型コロナウイルスの世界的流行で、国際社会全体が大変な状況に見舞われています。幸いにも日本は、第一波とされる流行を小規模に抑え込むことができ、また犠牲者の数も欧米より著しく少ないレベルに留めることに成功しました。しかし、社会経済活動への影響は甚大であり、今後どのような事態が生じるのか、だれも正確に予想できない時代に突入しようとしています。今までの常識が通用せず、異常と思っていたことが普通になる「新常態(ニューノーマル)」という金融界での造語も、これからの社会の在りようを端的に表現する用語の一つになったようです。
 翻って本学会の状況を見てみますと、懸案の事務局機能の外部委託化が今年1月に実施され、期待した通り順調に機能しています。この事務局の外部委託は、会員数が最近20年で約25%減少したという状況を踏まえて、まずは管理費のスリム化で学会の財政基盤の健全性を維持し、また専門業者のノウハウを活用して業務の効率化や標準化を図ることにあります。学会活動の縮小均衡を目指すものではなく、学会活動を一層飛躍させるための施策の一つと理解して頂ければ幸いです。この取り組みは前執行部の功績であり、特に理事長として陣頭指揮を執った筧先生には、そのご苦労に改めて感謝を申し上げます。
 ところで、今後の学会活動の方針ですが、とにかくポストコロナの時代に適応した活動を展開することだと思っています。しかし、コロナ後は誰も予想できない時代の到来であり、「強い者」ではなく「変化に適応できる者」が生き残るという鉄則を踏まえて、会員の一人一人がこれからの時代に相応しい研究テーマを模索し、その研究の成果を共有しながらさらなる発展を目指す、そういうことを支援できればと考えています。
 最後に、学会の新しい執行部は、総務担当に池田俊也理事、財務担当は引き続き福田敬理事にお願いしました。また、執行部を支える幹事として、新たに佐々木美樹氏を加え、中島範宏氏、境野健太郎氏の3名を任命しました。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

(2020年6月)